講演概要
大会研修会
研修Ⅰ 特別研修(workshop)
「Mindfulness: Harmonizing Body, Mind and Heart」
講師:サキ・サントレリ(Saki F. Santorelli, EDD, MA)
マサチューセッツ大学医学部マインドフルネスセンターでジョンカバット・ジン博士の後に所長を20年余り務め退官
事物の全体性と調和することは、不十分であることに不安を抱かないことではない(道元)
瞑想とマインドフルネスを学ぶものとして、またMBSRやその他のマインドフルネスプログラムのインストラクターとして、私たちにはプログラムの参加者が安心し、支えられ、信頼でき、調和のとれた環境を作ることが求められます。 私たちが教えることは、自らの瞑想の実践から生まれるものなので、そうした環境を準備することは、自らの苦しみに相対する作業に正面から不断に従事し、心を清浄に保ち、条件付けられた自己をより大きな真実に明け渡すことなしにはできないことです。すなわちたった一度の人生の限りある側面と限りない側面に、自らが調和することが、私たちが生きるべき人生です。
考えてもみてください。私たちは、人に苦しみや不安があることを否定しはしない。痛みを取り去るのでもない。アドバイスもしないし、すぐにできる解決法を提供するわけでもない。 何かの教えを持ち込むこともしない。 いわゆる「介入する」ことはない。 こうしたことは私たちの仕事ではありません。 そうではなく、私たちは3つのことを徹底します:参加者個々の内なる智慧を尊重し信頼すること、参加者と共に自らを探求すること、優しさと慈愛に根差した交流の精神で、参加者と共に旅する意を決っすることの3つです。私たちは、ゆらぐことのない関係に献身し、個々がMBSRに至った状態や状況に対峙する生来の能力を呼び覚ます、さながら助産師のようなものです。
とはいえ…
このようなこれまでに例を見ない新鮮なアプローチは、インストラクターである私たちが、自らの生活の中で、まさに同じプロセスに自ら進んで不断に取り組む程度を超えてできることではありません。 このワークショップでは、共にプラクティスを行い、対話と問いかけ(インクワイアリ)をしつつ、不十分であるように見える私たちのままで、 "事物の全体性と調和すること "を学びます。
年次大会
招待講演
「Mindfulness: Harmonizing Body, Mind and Heart」
講師:サキ・サントレリ(Saki F. Santorelli, EDD, MA)
マサチューセッツ大学医学部マインドフルネスセンターでジョンカバット・ジン博士の後に所長を20年余り務め退官
調和は、限りないものそして限りあるものと共調することでもたらされる(Hazrat Inayat Khan)
マインドフルネス、そしてその応用であるマインドフルネス・ストレス低減法(MBSR)は、調和を図る一つの方法であり、自己、他者、そしてより大きな世界との調和を学ぶための具体的な手立てを人々に提供します。 MBSRのコースに参加する個々の理由はさまざまですが、共通しているのは、ストレスと不調、言葉を換えれば、人生の限られた(finite)日常的次元での調和が失われていることです。 私たちの多くは、人生のこうした一時の側面に疲れ、視界を失います。
MBSRはこうした良くある状況に対処法を提供してくれます。瞑想とマインドフルネスを通じて、プログラムの参加者は自分の中にありながら隠れた、しかし抗しがたく引きつけられるものを発見します。花に引きつけられる蜂のように、参加者は自分の存在の内なる花に引き寄せられるようになります。 ここでは、これを "限りないもの(infinite)"と呼ぶことにします。 自らの生来のこの2つの側面と親しくなることは、統一と広がりを促します。 これを味わうことが、人生の課題に向き合う新たな方法への道を開き、自己の成長の障害となる、条件付けられた考え、見方、意見を超えることを可能にしてくれます。
この基調講演では、MBSRのクラスにおいて、人生の限りある側面と限りない側面が明らかにされてゆく過程と、この調和の過程が参加者の生活の中で、どのように具現化され表現されるかに焦点を当ててお話します。